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解体工事工事ってどんなことするの?
​必要な資格、工法など徹底解説

多くの人が家を相続した際に、住む予定がないために解体工事を検討することがあります。しかし、具体的にどのような作業が行われるのかについて理解していない方も多いでしょう。

解体工事を無知な状態で依頼すると、高額な費用を請求されたり、違法な工事が行われたりといったトラブルに発展する可能性があります。

解体工事を依頼する際には、基本的な工事の手順や解体業者に必要な資格などについて理解しておくことが重要です。

この記事では、解体工事の手順や工法、必要な資格などについて分かりやすく解説します。

​解体工事とは?

​まずは、解体の基本を見ていきましょう。

​建物や家屋を取り壊す工事のこと

解体工事は、建物や家屋を取り壊し、その撤去を行う工事のことです。主な目的は、建物を完全に取り除き、敷地を空にすることや、内装の変更を目的として建物内部を撤去することです。解体工事は、建物を壊して敷地を元の状態に戻す場合や、建物の内部を変更するために行われます。

​解体工事の種類

解体工事には、一般的なイメージとして建物を重機で取り壊す場面が思い浮かぶかもしれませんが、実際にはさまざまな種類が存在します。

 

・建物全体を取り壊すケースや外構のみを解体するケース、リフォームのために内装を解体するケースなどがあります。

・解体工事は建物だけでなく、ブロック塀やカーポートなどの外構のみを解体する場合もありますし、建物の一部を解体するケースもあります。これは、リフォームや増改築のために特定の部分を取り除く場合などです。

 

また、建物の解体においても、一般的な住宅の解体から大型のビル、マンション、工場など、規模に応じた解体工事が存在します。

​建物の構造に合わせた解体

住宅や建物は、それぞれ異なる構造や建築方法を持っています。

 

一般的な住宅には

・木造

・鉄骨造

・RC造

といった構造があります。

 

解体工事では、これらの構造に適した工法が必要となり、解体方法や費用の相場も異なることがあります。

例えば、木造住宅は比較的容易に解体できますが、鉄骨造やRC造の建物は頑丈であり、解体が困難になることがあります。

そのため、鉄骨造やRC造の解体には、人員を増やしたり特殊な工法を使用したりする必要があり、木造に比べて費用が高くなる傾向があります。

解体工事の方法や費用は、建物の構造や規模、解体の難易度によって異なります。適切な解体方法を選択し、専門の業者に相談することが重要です。

​解体工事の方法や工法

解体工事は、単純に重機で建物を取り壊していくだけではありません。

解体工事には、目的や建物の構造に応じたさまざまな方法や工法が存在し、それに基づいて解体が行われます。

解体の目的や建物の特性に合わせて、適切な解体方法を選択する必要があります。

たとえば、一般的な住宅の解体では、手作業や機械を組み合わせて解体を進めることが一般的です。

重機を使用する場合でも、建物の周囲や近隣環境に配慮し、周辺への影響を最小限に抑えるような工法が採用されます。

また、特殊な建物や狭い敷地の場合には、解体に特化した専門業者や特殊な工法が必要になることもあります。

解体工事は、安全性や環境への配慮が重要な要素となりますので、専門知識や経験を持った業者に依頼することが重要です。

​ミンチ解体と分別解体

​解体の方法は大きく分けて二つ

・ミンチ解体
​・分別解体

ミンチ解体

ミンチ解体は、重機を使用して建物を一気に取り壊す解体方法の一つです。

一般的に、解体工事と言われるとこのミンチ解体がイメージされることが多いです。

ミンチ解体は、建物を迅速に取り壊すことができるため、工事期間が短くなり、解体費用も比較的安くなる傾向があります。

しかし、ミンチ解体にはいくつかの問題があります。廃棄物が混ざり合ってしまい、リサイクルが困難になる場合や、アスベストなどの有害物質がまき散らされる危険性があります。

そのため、2003年に施行された建築リサイクル法によって、ミンチ解体は現在では禁止されています。

現代の解体工事では、環境への配慮や廃棄物の適切な処理が重視されており、解体方法は建物の性質や法規制に適合したものが選ばれるようになっています。

分別解体

我々を含め現在の解体工事は、一般的には分別解体として行われます。

分別解体とは、解体工事において発生する産業廃棄物を細かく分別しながら進める方法です。この方法では、重機で建物や構造物を取り壊す前に、手作業によって解体を進めながら廃棄物を分別します。

これによって、廃棄物の適切な処理とリサイクルが容易になります。

 

一方、手作業なしで直接重機を使用して解体を行う場合は、ミンチ解体(違法工事)となる可能性があるため、注意が必要です。ミンチ解体は、法律に違反して解体を行うことであり、環境への悪影響や安全上の問題が生じます。解体工事を行う際には、適切な法律や規制に基づき、分別解体を実施することが重要です。

​木造の建物の解体

木造の建物の解体では、次のような解体方法が一般的です。

・手壊し解体
​・機械解体

​手壊し解体

手壊し工法は、その名の通り手作業で解体を進める方法です。

この方法では、重機を使用せずに建物や構造物を手作業で解体していきます。そのため、敷地が狭い場所や搬入道路が確保できない場所でも作業が可能です。

手壊し工法の利点としては、解体後の廃棄物の分別がしやすいことや、騒音や振動が少ないことが挙げられます。近隣住民に迷惑をかけにくいという点もメリットです。

しかし、手作業のみで解体を進めるため、時間と費用がかかることがデメリットです。そのため、一般的には解体工事の一部や建物の一部として利用されることが多いです。

手壊し工法は、解体工事の特定の要素や場合において有用な手法であり、適切な場面で使用されることが重要です。

​機械解体工法

もっとも一般的な建物解体方法は、機械解体工法です。

この方法では、建物を解体するために重機を使用します。

通常、機械解体の前には手作業による一部の解体作業が行われます。これによって建物が一部解体され、材料が分別されます。その後、重機を使って本格的な解体作業が行われます。

機械解体では、騒音、振動、および粉塵の発生などが問題となるため、近隣住民への配慮が必要です。解体現場の騒音や振動を最小限に抑えるために、適切な防音・防振対策が施されることが一般的です。また、解体作業中に発生する粉塵の拡散を防ぐために、適切な防塵措置や風向きへの配慮が行われます。

機械解体は、大規模な建物の解体に適しており、作業の効率性と安全性を高めることができます。ただし、解体作業には専門知識と経験が必要であり、安全な解体を行うためには熟練した専門業者の手が必要です。

鉄骨造やRC造・SRC造の解体

鉄骨造やRC造・SRC造の解体としては、次のようなものがあります。

  • 圧砕機工法

  • カッター工法

  • ブレーカー工法

  • 転倒工法

圧砕機工法

圧砕機工法は、ショベルの先端に圧砕機を取り付けて、コンクリートの破砕や鉄骨の切断を行う解体方法です。

この方法は、効率的に建物を解体することができるため、主にコンクリート解体において広く利用されています。圧砕機を使用することで、コンクリートを破砕したり、鉄骨を切断したりする作業が迅速に行えます。

圧砕機工法では、騒音や振動は比較的少ないですが、作業中には粉塵が舞いやすいという特徴があります。そのため、作業中には散水しながら解体作業を行うことが一般的です。散水によって粉塵を抑え、周囲への拡散を最小限に抑えることが目指されます。

圧砕機工法は、コンクリート解体において高い効率性を持ちながら、振動や騒音の面で比較的環境に配慮した解体方法と言えます。ただし、解体作業は安全に行う必要があり、適切な訓練を受けた専門業者によって行われるべきです。また、散水やその他の安全対策も適切に実施することが重要です。

​カッター工法

カッター工法は、ショベルの先端に鉄骨切断用のカッターや他の切断用アタッチメントを取り付け、解体しながら切断する方法です。

この方法は、比較的振動が少なく、粉塵も舞いにくいという特徴があります。また、解体スピードが速いため、大型の建物でも効果的に解体作業を行うことができます。

カッター工法では、ショベルの先端に装着したカッターやアタッチメントを使用して鉄骨などを切断しながら解体を進めます。切断作業は効率的に行われ、解体範囲を確実に進めることができます。

振動や騒音の発生が少ないため、周囲への影響を最小限に抑えることができます。また、粉塵の発生も抑制されるため、作業現場の環境への配慮が容易です。

カッター工法は、大型建物の解体に適しており、迅速かつ効率的な作業が可能です。ただし、切断作業には高い技術と経験が必要であり、安全な作業環境を確保するためには専門の解体業者によって行われるべきです。

​ブレーカー工法

ブレーカー工法は、ノミのようなアタッチメントを装着したショベルを使用してコンクリートを砕きながら解体する方法です。

この工法は、重機が入れない狭い場所でも、ハンドブレーカーを使用することで解体作業を行うことができます。

ただし、ブレーカー工法では、振動や騒音が大きくなり、粉塵も舞いやすいという特徴があります。そのため、作業中には散水を行い、粉塵の拡散を最小限に抑える努力が必要です。また、近隣住民への配慮も重要であり、騒音や振動の制御を行うための対策が取られることが一般的です。

ブレーカー工法は、狭い場所や制約のある環境での解体作業に適しています。しかし、振動や騒音、粉塵の問題に対処するためには、専門的な知識と経験を持つ業者が作業を行う必要があります。安全性と周囲への配慮を確保するため、適切な散水や騒音・振動対策が実施されるべきです。

​転倒工法

外壁を内側に転倒させて解体する方法は、一般的に衝撃解体工法と呼ばれます。この方法では、外壁を内部から衝撃を与えることで解体を進めます。

衝撃解体工法には、解体ガラの飛散が少なく、高所での作業が少なくて済むというメリットがあります。外壁が内側に倒れることで、解体現場の安全性と周辺への配慮が向上します。

その他の解体工法として、以下のようなものがあります:

  1. ワイヤーソーイング工法:鋼索やワイヤーロープを使用して解体対象物を切断する方法です。狭い空間や特殊な形状の解体に適しています。

  2. アブレィシブウォータージェット工法:高圧水流と研磨剤を組み合わせて解体対象物を切断する方法です。精密な作業が求められる場合に利用されます。

  3. 静的破砕剤工法:特殊な破砕剤を使用して解体対象物を内部から崩壊させる方法です。周囲への振動や騒音を抑えながら解体が行われます。

  4. ミニブラスティング工法:一部の頑固な材料や鉄骨などを爆破することで解体を進める方法です。周囲への振動や騒音には注意が必要です。

 

解体工事には様々な種類や工法が存在し、状況や解体対象物に応じて適切に使い分ける必要があります。適切な解体工法の選択と専門知識を持った業者による作業が重要です。弊社は様々な分野に対応ができるスタッフが揃っております。

解体工事を行う際の法律や規制との関係

解体工事を行う際には、以下の2つの法律に関連する事項に注意する必要があります。

  1. 建設業法: 解体工事は建設業に該当するため、建設業法の規定に従って行われる必要があります。建設業者は、建設業登録を取得している必要があります。また、解体工事の場合、特に危険性のある作業や高所での作業には、適切な資格や訓練を受けた作業員を配置することが求められます。

  2. 建設リサイクル法: 建設リサイクル法は、建設工事における廃棄物の適切な処理やリサイクルを促進するための法律です。解体工事によって発生する廃棄物(コンクリート、鉄骨、木材など)は、適切に分別・処理される必要があります。廃棄物の処理方法やリサイクル率の達成など、法律の要件を満たすためには、適切な廃棄物管理計画の策定や指定施設の利用などが求められます。

これらの法律に対する適切な理解と遵守は、解体工事を合法かつ環境に配慮した方法で実施するために不可欠です。専門的な知識や経験を持つ建設業者との協力が重要です。

​解体工事に資格と許可

解体工事を行うためには、適切な資格や許可を持つ業者に依頼することが重要です。

解体工事業を営むには、建設業者としての登録や解体工事特定技能者の資格など、各国や地域における要件を満たす必要があります。これらの資格や許可を持つ業者は、専門的な知識と経験を持ち、法律や規制に則った適切な解体工事を行うことができます。

違法な業者に解体工事を依頼すると、違法解体として取り締まりを受ける可能性があります。依頼主にも罰則や法的な責任が問われることがあります。そのため、信頼性のある業者を選ぶために、業者の資格や許可を確認し、実績や評判などを調べることが重要です。

解体工事には、建築基準法や廃棄物処理法などの法律や規制も関わってきます。適切な資格や許可を持つ業者と協力することで、法的なトラブルや環境への影響を最小限に抑えることができます。

建設業許可、解体工事業登録が必須

解体工事業を営むためには、以下のいずれかの許可や資格が必要です。

  1. 建設業許可: 建設業法に基づき、建築工事を営むために必要な許可です。解体工事業を行う場合、解体工事業または土木工事一式・建築一式・とび・コンクリート工事業のいずれかの許可が必要です。建設業許可は、建設種類ごとに分類されています。

  2. 解体工事業登録: 建設リサイクル法に基づく解体工事業を営むための許可です。この登録があれば、建設業許可がなくても解体工事業を営むことができます。ただし、登録は500万円未満の工事に限定されており、それ以上の規模の工事では建設業許可が必要です。一般的な住宅の解体工事では、500万円以上になることは稀ですので、解体工事業登録を持つ業者が対応することが一般的です。

建設業許可や解体工事業登録を取得した業者は、許可証や登録証を営業所や解体現場に掲示する義務があります。依頼する際には、業者が適切な許可や登録を持っていることを確認することが重要です。

適切な許可や資格を持った業者に依頼することで、法的なトラブルや違法解体のリスクを回避し、安全かつ適切な解体工事が行われることを確保できます。

​解体工事の流れ

解体工事を依頼する際には、解体工事の大まかな流れを把握しておくことが重要です。以下に解体工事の一般的な流れを示します。

  1. 各種届出: 解体工事を行う場合、地方自治体に対して解体の届出や許可申請が必要な場合があります。地方自治体の要件に従って、必要な届出や手続きを行います。

  2. 解体の事前準備: 解体工事を開始する前に、解体現場の安全確保や周辺への配慮などの準備作業が行われます。これには、解体範囲の確定、安全対策の立案、解体に伴う電気・ガス・水道などのラインの遮断、近隣住民への通知などが含まれます。

  3. 外構の解体: 解体工事は一般的に外構から始まります。これには、庭や塀、駐車場などの解体が含まれます。

  4. 屋根や内装の解体: 次に、建物の屋根や内部の解体が進められます。屋根の撤去や内部の壁や床の取り外しなどが行われます。

  5. 基礎を含む建物本体の解体: 建物の基礎を含む本体部分の解体が行われます。これには、外壁や柱、梁などの取り外しや崩壊が含まれます。

  6. 整地・清掃: 解体後は、解体現場の整地や清掃が行われます。解体によって生じた残骸や廃棄物の適切な処理が行われます。

  7. 建物滅失登記: 解体が完了した後、不動産の所有権情報を更新するために建物滅失登記を行う場合があります。

以上が一般的な解体工事の流れですが、具体的な工事内容や要件は現地の状況や地方自治体の規制によって異なる場合があります。解体業者との打ち合わせや地方自治体の指示に従い、適切な工事手順を確認しましょう。

各種届出

解体工事を行う前には、さまざまな届出が必要となります。以下に解体工事で必要な届出の例を示します。

  1. 建設リサイクル法の事前申請: 建設リサイクル法に基づき、解体工事業を営む場合には、解体工事業者が事前に申請を行う必要があります。これには、解体業者の登録情報や廃棄物処理計画などの提出が含まれます。

  2. 建設工事計画届: 解体工事を行う場合、地方自治体に建設工事計画届を提出する必要があります。この届出には、解体工事の内容や期間、安全対策などの情報が含まれます。

  3. アスベスト除去に関する届出: 解体対象物にアスベストが含まれている場合、アスベスト除去に関する届出が必要です。アスベストの取り扱いには法的な制約があるため、専門的な業者による除去作業が必要となります。

  4. 道路使用許可申請: 解体工事によって道路や歩道を一時的に占用する場合、地方自治体に対して道路使用許可の申請が必要です。解体工事による交通の影響や安全対策などが審査されます。

 

これらの届出や申請は、通常は解体業者が行ってくれます。ただし、場合によっては依頼主が特定の届出を行う必要がある場合もあります。依頼主と解体業者は、解体工事に関する届出について相談し合い、適切な手続きを進めるようにしましょう。

​外構の撤去

解体工事を進めるためには、まずは外構の解体が必要です。

  1. 外構解体: 外構解体では、庭木やカーポート、ブロック塀などの外周りの解体・撤去を行います。これにより、解体工事や重機の搬入、足場の設置などのためのスペースを確保します。

  2. 足場や養生の設置: 解体工事の安全な進行や周囲への配慮のため、足場や養生の設置が行われます。足場は作業員の安全な作業をサポートし、高所での作業や解体対象物へのアクセスを確保します。また、養生は周囲の建物や地面を保護し、解体作業に伴う破損や汚れを最小限に抑えます。

 

これらの作業を行うことで、解体工事の準備が整い、安全かつ効率的に工事を進めることができます。重機の搬入や足場の設置は、解体工事の成功にとって重要な要素です。解体業者は、これらの作業を適切に行いながら、工事の進行を管理していきます。

​内装と屋根の解体

足場と養生が設置された後、解体工事が始まります。

解体工事では、まず屋根や内装の手作業による解体が行われます。一般的に、屋根材や断熱材、建具、内部造作など、解体可能なものは手作業で解体されます。

解体工事には、重機による取り壊しのイメージがあるかもしれませんが、実際には手作業による解体が先行します。これは、解体工事によって発生する廃棄物の細かい分別処理が義務付けられているためです。

廃棄物の適切な処理を行うために、解体業者は手作業による解体を行い、廃棄物を分別していきます。この手作業の解体作業が完了した後、必要に応じて重機による解体や破砕作業が行われる場合もあります。

解体業者を選ぶ際には、廃棄物の適切な処理や分別についての知識や経験を持つ業者を選ぶことが重要です。適切な廃棄物管理を行い、環境への影響を最小限に抑えるためにも、解体工事の進行と廃棄物の処理を適切に行う業者との協力が必要です。

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